2026年6月11日木曜日

ギターやピアノを学ぶ意味


 近年、さまざまな技術が発達し、これまで専門的な知識や技術がなければできなかったことも、誰でも形にできる時代になってきました。


こうした変化に不安の声もありますが、私は悪いことばかりではないと思っています。


なぜなら、アイディアや発想を持っている人が活躍しやすくなる面もあるからです。


では、本当に大切なものは何でしょうか。


私は、それは人間の感性や創造性だと思います。


何を美しいと感じるのか。


何を面白いと感じるのか。


どんなものを作りたいのか。


そうした思いや発想は、人間らしさの源になるものです。


ギターやピアノを学ぶ意味も、単に演奏技術を身につけることだけではありません。


もちろん、曲が弾けるようになる喜びはあります。


しかしそれ以上に、


どうしたらもっと美しい音になるだろう。


どうしたら気持ちが伝わるだろう。


そんなことを考えながら音楽と向き合う時間に大きな価値があると思っています。


音楽には一つの正解がありません。


だからこそ、自分で感じ、考え、工夫する力が育ちます。


私は、そうした経験が人間らしい感性や創造性を育て、将来どんな道に進んだとしても、その人の財産になると考えています。


ギターやピアノを学ぶのは、音楽家になるためだけではありません。


人間らしい感性や創造性を育てるためでもあります。


これからの時代だからこそ、その価値はますます大きくなるのではないでしょうか。

2026年5月19日火曜日

教えるということは、「良いところ」を見つけること


 レッスンをしていると、いつも考えることがあります。


短い時間の中で、音楽だけではなく、何か生きていく上でのヒントのようなものを渡せないだろうか。


そんなことを日々考えながら、生徒さんたちと向き合っています。


私は大人の生徒さんもレッスンしていますが、今回は子どもたちとの関わりについて少し書いてみようと思います。


子どもと接する時、私は自分が小学生だった頃、中学生だった頃、そして高校生だった頃のことを思い起こすようにしています。


私自身、子どもの頃は不器用な部分も多く、感情のコントロールがうまくできない時期もありました。


そんな小学生の頃、私が当時チェロを習っていることを知っていた学校の音楽の先生が、


「音楽会で弾いてみない?」


と声をかけてくださったことがありました。


その経験は、当時 なんとなく自信をもてないでいた私にとってとても大きな出来事でした。


「自分にもできることがあるんだ」


そんな気持ちを持てたことが、自分を少し変えてくれたように思います。


だからこそ今度は、私が子どもたちに自信を持ってもらえるようなレッスンをしたいと常々思っています。


レッスンでは、「良いところを見つけること」をとても大切にしています。


たとえば、


「今の音色すごく良かったよ」

「その弾き方で出る音は本当に良い音だね」

「耳が良いから今の違いちゃんとわかるよね」


そんなふうに声をかけることがあります。


子どもたちは、自分の良さにまだ気づいていないことがたくさんあります。


だからこそ、大人がそれを見つけて言葉にしてあげることには、大きな意味があると思っています。


もちろん、子どもですから忘れ物をすることもあります。


でも私は、まず「どうしたら今日のレッスンを良い時間にできるか」を考えます。


「忘れちゃった? じゃあ先生のタブレットに入ってる楽譜を使おうか。そこに書き込みしていくから、最後にプリントアウトして渡すね」


そんなふうに、その日の状況の中で一緒にレッスンを作っていきます。


もちろん最後には、


「次回は持ってきてね」


と優しく伝えます。


大切なのは、「失敗したら終わり」ではなく、


「失敗しても大丈夫。そこからどうするかを考えればいい」


という経験なのではないかと思うからです。


できないことがあった時も同じです。


私は、「どうしてできないんだろう」ではなく、


「どうやったらできるようになるか」


を一緒に考えていきます。


一緒に取り組みながら解決法を探していく。解決していく過程を一緒に歩み、「できた」という経験をしてもらいたい。


そんなレッスンを大切にしています。


子どもたちはまだ成長の途中です。


でも、一人一人に必ずその子だけの良さがあります。


私は音楽を通して、


「君には良いところがあるんだよ」

「君は素晴らしい存在なんだよ」


ということを伝えていきたいと思っています。


もしかしたら、子どもの頃に私に声をかけてくださった音楽の先生も、そんな思いだったのかもしれません。


2026年4月13日月曜日

初心を忘れずに―教室で大切にしていること―

 初心を忘れないようにしたいと、いつも思っています。

私にとっての初心とは、体験レッスンに来てくださった日や、初回のレッスンの日の気持ちです。


はじめてお会いする方に向き合うときは、自然と緊張感があります。

どんな言葉なら伝わるか、どうすれば安心していただけるか、いつも以上に考えながらレッスンをします。


その姿勢を、通い慣れた関係になってからも忘れないこと。

慣れから生まれる甘さに流されないこと。


それは教室を続けるうえで、とても大切なことだと感じています。


数ある教室の中から、当教室を選んでいただいたからには、来てくださる生徒さんを大切にしたいと思っています。


毎回レッスンに来てくださること。

毎月お月謝をお預かりすること。


それは当たり前ではなく、信頼して通っていただいている証です。


以前、振込や電子決済はできますかとご質問をいただいたこともありました。

今の世の中は、さまざまなお支払い方法が選べる時代です。


それでも、月のはじめにお月謝をお預かりする時間を、私は大切にしています。


今月もよろしくお願いします、という気持ち。

今月もより良いレッスンをしたい、という気持ち。


先生にとっても、生徒さんにとっても、学びに向かう気持ちを整える節目になると感じています。


これからも、一回一回のレッスンを大切にしながら、内容や質もさらに高めていきたいと思っています。


いつも教室に通ってくださり、本当にありがとうございます。



2026年4月9日木曜日

ロジカルレッスン―ギターコース―


 難しい技術が出てきたとき、

そのまま繰り返すだけでは前に進みにくいことがあります。


何が難しくしているのかを分解し、

順番に整理していきます。


最初に取り組むこと、次にやること、最後にまとめること。

流れをはっきりさせてから、組み合わせていきます。


できるようになるまでの道筋をつくり、

レッスンでは実際に弾きながら進んでいきます。


こうした進め方でレッスンを行っています。


説明の際は、内容を整理したプリントをお渡しすることもあります。

ただ、考えながら理解する過程を大切にしたいので、できるかぎりその場で書くようにしています。


一つずつ書き足していき、

最終的に一つの絵になるような進め方です。


ライブ感のあるレッスンです。


このような進め方は、小学校高学年くらいから少しずつ取り入れるようにしています。

それより前の段階では、感覚や体の動きを通して理解していくことを大切にしています。


うまくいかないときは、原因を探ります。

どこで止まっているのかを見つけ、解決の方法を示します。


すぐに答えが出ない場合もありますが、

そのときは一緒に考えながら進めていきます。


一つひとつ整理しながら進めることで、

無理なくできる状態をつくっていきます。